ふっくらおいしいおにぎりの条件とは?
お弁当などで作る機会が多いおにぎりですが、「水分でベトベトになってしまう」「食感が悪い」など、おいしいおにぎりを作るのは、簡単なように見えて難しいものです。
ふっくらおいしいおにぎりの条件とは米粒がベトベトしておらず、潰れていないこと。つまり、おいしいおにぎりを作るには「握り方」だけではなく、「ごはんの炊き方」も重要なのです。そこで今回はお米の炊き方から、順を追って説明していきます。
ごはんの炊き方
おいしいおにぎりを作るためには、おにぎり用のごはんを炊くことから始まります。米のとぎ方、吸水時間、水加減、炊きあがった後、それぞれのコツを押さえて、ごはんの炊き方をマスターしましょう。
おにぎり用のごはんは「硬めに炊く」
やわらかめ、硬め、好みのごはんの硬さは人それぞれですが、おにぎりを作るときは「硬め」に炊いてみてください。時間が経ってもごはん一粒一粒の食感が損なわれず、おいしいおにぎりができますよ。ごはんを硬めに炊くためのポイントは、下記の4つです。
- とぎすぎないこと
- 米にしっかりと吸水させること
- 水加減は少なめにすること
- 塩を入れて炊くこと
まず大切なことは、とぎすぎないことです。とぐのに時間をかけると、米が落ちた「ぬか」を吸ってしまうだけでなく、米の香りが落ちてしまいます。2分以内で、3回程度軽く洗うようにしましょう。
次に、米を水に浸してしっかり吸水させます。時間は30分から1時間半が目安です。実は炊くときの水分を減らして硬めのごはんにすると、時間が経ったときにおいしくなくなってしまいます。しかし、ここでしっかりと吸水させておくことで、時間が経ってもおいしいごはんにすることができます。
炊くときの水加減は少なめに。通常よりも5%~15%ほど減らして炊きましょう。
また炊くときには、塩を入れるのがおすすめ。炊くときに塩を入れることで、塩の加減が均一になり、ごはんの甘みも増します。米3合に対して、小さじ1弱くらいを目安にしてください。握る際の塩は、お好みでご使用下さい。
炊きたてのごはんは「粗熱と水分を飛ばす」
おいしいおにぎりを作るためには、炊飯後、すぐに握ってはいけません。炊きたてのごはんは水分を多く含んでいるため、すぐに握ると時間が経つにつれてベトベトになってしまいます。
そのため、炊きあがったごはんはまず、バットやまな板など平らなところに広げて、粗熱と水分をしっかり飛ばしましょう。ごはんの表面にあるでんぷん質は、空気に触れると硬くなる性質があるため、このように空気にさらすことで、ごはんが硬くなり、握ったときに潰れにくくなるというメリットもあります。炊きたてのごはんは熱すぎて握れない、という方にとっても理にかなった方法ですね。
おにぎりの握り方
おにぎり用のごはんが準備できたら、いよいよ握る工程に入ります。おいしいおにぎりを作るためには「軽く握る」「握ったら一度冷ます」「包むときは新しいラップを使う」という3つのポイントがあります。
おにぎりは「軽く握る」
おにぎりを握るときには、優しく軽く握りましょう。力を入れて握ると、ごはん粒が潰れて食感が悪くなってしまいます。
まずはラップの上に半分の量のごはんを載せ、さらにその上に具を載せます。このとき、具は中心だけではなく全体に広げるように載せましょう。こうすることで、食べたときに満遍なく具を楽しめます。最後に残り半分のごはんを載せて、ラップで包み、握ります。
「形を整える」イメージで、2~3回ほど、軽く握れば十分です。
握ったら「手で触れることのできる温度まで冷ます」
おにぎりの形を整えたら、ラップを外します。その後、しばらくお皿の上などに置いて冷ましましょう。その後、お好みでのりを巻きます。冷ますことで、余計な水分が飛び、ベトベトのおにぎりになるのを防ぎます。
ただし、あまり冷ましすぎると、ごはんが乾燥してしまいます。キッチンペーパーや布巾などを被せることで、乾燥を防げます。
「包むときは新しいラップ」を使う
お弁当など時間を置いてから食べる場合には、握るときに使ったラップではなく、新しいラップで包みます。握るときに使ったラップには水分が残っており、おにぎりがベトベトした食感になってしまうためです。
おにぎりのバリエーションの増やし方
ここまではごはんの炊き方、握り方など、おいしいおにぎりを作るための基本を紹介してきました。さらに具やごはん、巻くものなどを変えることで、多彩な変化を楽しめるのもおにぎりの魅力です。ここからは、おにぎりのバリエーションを増やす方法をご紹介します。
具
おにぎりに使う具は、ツナマヨやつくだ煮など、味の濃いものがおすすめ。長く持ち歩くなら、梅干しやさけ、昆布など塩気のあるものを具にすることで傷みにくくなります。 逆に水分や油分の多いものは、ごはんが崩れる可能性があるため、あまり具には向きません。生ものもすぐに食べる場合は問題ありませんが、長く持ち歩く場合は避けた方が良いでしょう。
・おかか
【おかかとごまのおにぎり】
具はかつお節と白ごま、しょうゆを混ぜるだけで簡単にできます。握るときは球体や三角ではなく、太鼓型に握り、側面に帯状に切ったのりを巻きます。
・焼きみそ
【焼きみそおにぎり】
ねぎとしいたけを加えた焼きみそが香ばしいおにぎりです。みそが焦げるまで、しっかり焼くのがポイント。ごはんにぴったりの具ですね。
・明太子
【明太子おにぎり】
明太子を使った定番のおにぎり。握る際、トッピング用に明太子を1/3程度残しておきましょう。最後にのりをたすきがけに巻いて、てっぺんに残りの明太子をのせると、目にも鮮やかです。
ごはん
白米のおにぎりも良いですが、季節の食材を使った炊き込みごはんを使うと、より豪華な印象に。炊き込みごはんの場合は、具材が大きすぎると形を整えるのが難しくなるため、具材は小さく、少なめにすることがコツです。
またごはんにふりかけを混ぜると、簡単にカラフルなおにぎりが作れます。ふりかけは種類が多く、日持ちもするため、とても便利なアイテムです。
・5色おにぎり
【かんたん5色おにぎり】
それぞれ、枝豆、コーンバター、さけフレーク、ゆかり、高菜を使ったおにぎり。いずれも材料とごはんを混ぜて握るだけなので、とても簡単にできます。
・たけのこごはん
【旬のたけのこおにぎり】
たけのこの炊き込みごはんで握るおにぎり。のりで巻くだけでなく、木の芽をのせたり、オーブンで焼いたりすることで、異なる味わいを楽しめます。春の行楽におすすめのおにぎりです。
・雑穀米
【雑穀すだちおにぎり】
十六穀米を使ったおにぎりです。十六穀米のごはんと塩昆布を混ぜて握ります。すだちとみょうがをのせれば、夏にぴったりのさわやかな風味に。
・秋さけときのこの混ぜごはん
【秋さけときのこの混ぜごはんおにぎり】
秋さけときのこを使った秋の味覚たっぷりのおにぎりです。焼いた秋さけと味つけしたしめじ、にんじん、油揚げをごはんと混ぜて握ります。
・だし
【だしおにぎり】
山形の郷土料理である「だし」と、ごはんを混ぜたおにぎり。なすやキュウリなど水分の多い野菜は、あらかじめ塩もみして水気を絞りましょう。
・深川飯
【深川飯おにぎり】
深川飯を握ったおにぎり。あさりの水煮缶を使うことで、手軽に深川飯と同じ風味の炊き込みごはんを作れます。
・レモン飯
【瀬戸内レモン飯おにぎり】
すりおろしたレモンの皮とみじん切りにしたしょうがの甘酢漬けを、ごはんと混ぜて握ったおにぎり。さっぱりした風味で、レモンとごはんが意外に良い相性です。
巻く
おにぎりに巻くものといえば定番なのは「のり」ですが、のり以外のものを巻いてみてはいかがでしょうか。野沢菜や大葉のほか、ハムや肉なども、ごはんによく合います。薄焼き卵、とろろ昆布はうま味も多いのでおすすめ。いつもと一味違ったおにぎりになりますよ。
・とろろ昆布
【とろろ昆布おにぎり】
俵型に握ったおにぎりを、とろろ昆布で巻いたおにぎりです。ごはんを握ったあと、別のラップの上にとろろ昆布を広げ、その上におにぎりを置いて巻いていきます。
・薄焼き卵
【和ムライスおにぎり】
ちりめんじゃこ、梅干し、白ごまと混ぜ合わせたごはんを、大葉と薄焼き卵で巻いたおにぎり。梅干しはカリカリ梅でも代用できます。
・野沢菜
【野沢菜巻きおにぎり】
野沢菜の葉で包むシンプルなおにぎり。茎の部分は刻んで、ごはんに混ぜ込みます。
・キャベツ
【キャベツ巻きおにぎり】
さけフレークと白ごまを混ぜ込んだごはんを、キャベツで包んだおにぎりです。キャベツの上に添えられた桜えびがより彩りを豊かにしてくれます。
・肉
【肉巻きおにぎり】
調味料をもみ込んだ豚肉を巻いたおにぎり。おにぎりは俵型に握り、肉を巻いてからフライパンで焼きます。
・生ハム
【生ハムとチーズの手まり風おにぎり】
クリームチーズを具にしたおにぎりを、生ハムで巻いた洋風おにぎりです。ごはんは酢飯を使います。
・チーズ
【チーズのカリカリおにぎり】
カリカリに焼いた溶けるチーズで、おにぎりを挟んだ一品です。ごはんには、グリーンアスパラガスとコーンを混ぜ込みます。